クアラルンプールのバリアフリー度(1)

LRTで通勤を始めてしばらくして、車椅子で電車に乗り込んで来る人がいてちょっと驚きました。この人は全くの一人で駅員や同行者の助けも何もなく、地下駅のホームから電動車椅子で乗ってきました。

LRTの地下駅では、ホームと電車の軌道の間に壁を設けてあり、万が一の転落の心配もありません。また、壁が設置してある駅のホームは直線に近いので、乗り降りの際の電車とホームの間のギャップも小さく、問題ないようです。


ホームと軌道の間の壁
(これはLRTではなく新しくできたMRT駅)


MRTは地上駅でも壁を設置している

その後も何度も車椅子で乗る人を見かけました。ひょっとすると同じ人を何度も見たのかもしれませんが。

ともあれ、LRTの駅はそれなりに整備され、車椅子での乗降も可能なようです。そして、それは電車への乗降だけでなく、ホームに来るまでのルートも車椅子で(たぶん)問題なく来ることができるということでしょう。

実際、私は駅近くの自宅からスーツケースを転がし、LRTからKLIAエキスプレス(空港へ行く電車)へと乗り継いで往復することが何度もありましたが、その際、一度バリアフリー度を試してみようと全てエレベーターを使って行ってみたことがあります。

やってみるとエレベーターの場所を探すのにまごついたりすることはあるものの、一旦駅ビルに入ってからは段差を越えたり、エスカレーターや階段を使うことなく、全てバリアフリーでチェックインカウンターまで行くことができました。

点字ブロックについてはあまり注意して見たことはないけれど、駅などでは整備されているようです。住んでいたエリアの近くには視覚障害者関係の施設があるらしく、白い杖をもった視覚障害者がLRTに乗っている姿はかなり頻繁に見ました。ただし、ほとんどの場合は誰か同行者がいたように思います。


KLセントラル駅
いまや7路線が繋がったターミナル駅。
この中の往来はおそらく全てエレベーターを使える。最近は大きな荷物を持ってエスカレーターに乗ろうとすると警備員に制止されることもある。
駅に付属している大きなショッピングモールにも問題なく行ける。エレベーターを見つけるのが大変だけど。

ほかにも、近年にできた大型のショッピングモールや大きなホテルなどでは、入り口にスロープが設けられていたり、どこへ行くにも必ずエレベーターで行けるようになっていたり、車椅子で入れるトイレがあったりします。このように鉄道や大規模な施設については、クアラルンプールはかなりバリアフリー対策が施されている方だと感じます(ただしモノレールはやや遅れている)。

しかし、良いのはここまで。

一歩建物の外に出ると別世界が広がっています。いや、車に乗っているのであれば大丈夫です。地下の駐車場に行って車にのって外に出る分には問題ありません。駐車場にだってもちろんバリアフリーで行けます。

問題は歩行者です。外を歩こうとするとバリアフリーかどうか、どころの話ではなく、そもそも歩いて目的地に行けるのか?と言う問題になります。

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アダムの選択(亜東 林)

 

手のひらの中の彼女(亜東 林)

 

シライン(亜東 林)

 

LIARS IN SPACE (Rin Ato):シライン英訳版

英訳の経緯はこちら

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