詳細・複雑化する利用規約の問題を考えてみた

ソフトウェアをダウンロードしたり、オンラインサービスに加入する時に必ず出てくるのが利用規約への同意。インターネットを使い始めた頃は一生懸命読んでいました。

最近は何か自分の行動が大きく影響されるような可能性のあるサービスに入る時は、もちろん読むようにしています。amazonに電子書籍を出した時は読みました。そういうケースではユーザーに適切に行動してもらうために、利用規約を書く側もわかりやすく書き、分量もできるだけ抑えているように思います。

しかし、ソフトウェアの利用のような場合は、多くの場合はスルーしてしまっています。もう手に負えないほど詳細、複雑になっているから、そんなもの読んでいたら何もできないので。

しかし、この利用規約の隅っこに、何か自分にとってはとても容認できないようなことが小さな字で書かれているんじゃないか、という不安はいつもあります。

でも、読まずに同意してしまっているのは、これまで直接的に大きく自分に害になるようなことが起こっていない(と思っている)から。

大勢のユーザーがいるので、いろんなところで問題は起こっているでしょうが、そのたびに当事者が解決して、改善してくれているだろうと頼ってしまっているんです。

「みんなで渡れば怖くない」みたいな感覚になって、最初の頃感じていた警戒感がなくなってしまっています。

でもやはりまずいなと思います。ネットで調べるといくつかトラブルになった事例を挙げているものがありました。

例えば「ユーザーの創作物の著作権がサービス提供側に無償で譲渡されることになっていた」とか、「ユーザーのメモをサービス提供側の従業員が見ることができるようになっていた」など。

音声アシスタントに話した内容が、サービス提供会社の従業員が聞くことができるようになっていた、というのが去年ありましたね。

あれは、アシスタントの性能アップには必要だということで、そのままなんでしょうね、たぶん。でも正直言ってあからさまに聞かれる可能性があると想像していた(る)人は少ないんじゃないでしょうか。

たとえ利用規約に書かれていても、法律で保護されていて無効になるようなケースもあると思うし、利用規約を作る側も法律家の助けを得て作っていることもあるので、とんでもないような内容の利用規約はないのかもしれません。

しかし、もう少しユーザー側の立場に立って、わかりやすく簡潔にその利用規約の注意点を知ることができるような仕組みはできないものかと思います。

例えば、サービス提供会社がお金を払って専門のコンサルタントと契約し、そのコンサルタントがその利用規約を精査し、過去のトラブル事例や法律、一般的な社会常識に照らした上での許容の可能性や、特記事項、注意点などを簡潔にまとめた書類を一枚付けるというのはどうでしょう。

さっきの音声アシスタントの例であれば、コンサルタントは「音声アシスタントに話した内容は、サービス提供会社の関連人員に聞かれる可能性があることに注意」とデカデカと書いておくということです。

裁判沙汰になった時に、そのコンサルタントに直接責任を負わせることはできません。しかし、もしサービス提供会社が裁判に負けた場合には、会社がコンサルタントに一定のペナルティーを請求することができるような契約を両者が結んでおけば、コンサルタントは慎重に問題点を探すでしょう。

ほかにも、業界標準があればいいと思います。そうすれば「この利用規約は業界標準のデータ取り扱い方法に準拠している。特記事項は〜」とわかりやすく書くことができます。

会計基準と会計事務所のような仕組みがあればいいし、そうでなくとも、そういうユーザーの視点に立った情報提供をせずに、誰も読む気がしないような長く詳細で難解な利用規約だけを掲げる会社は、信頼を失っていくような風潮になってくれればと思います。

あまり堅苦しくしすぎると、IT業界の発展を阻害してしまいますが、ユーザーとして気持ちよくソフトウェアやサービスを利用できる仕組みがあればと思います。

ユーザーも、リスクや可能性を事前にはっきりと把握できるのであれば、ある程度のことは許容するのではないでしょうか。

音声アシスタントの件だって、録音されたり聞かれたりすると分かっていれば、電車の中のような公共の場所での会話だと思って話すだけのことで、ほとんど何の問題もないと思います。

 

 

 
スマホの音声アシスタントとの
対話を描くストーリー

 

 

ウェブ情報の歴史的価値と情報操作

ついこの間、とある海外の有名メディアによる新型コロナウィルス関連の電子版ニュースを読みました。かなり長い記事だったのですが、書かれていることはほとんどが既に報道されている事実関係。

独自の考察らしきものや新しいデータも特になく、何を言いたい記事なのかと疑問に思っていたら、一箇所だけ「某国は非常に素晴らしい対応をした」と書かれていました。

しかし、私がこれまでたくさんの報道を読んだ限り、その国の対応は「素晴らしかった」という一言で片付けられるようなものではなく、むしろ批判が渦巻いていたものです。

そこで考えたのは、この記事の目的は大量のありきたりの事実を並べた中に、この「某国は素晴らしかった」を潜り込ませ、あたかもそれが事実であるかのように思わせることだろうということ。

しかし、新しい感染症が広がっている最中のリアルタイムでこの記事を読んでいる人は、まだ記憶も新しいし、こんなことを書かれても「おかしい。偏向している」としか思わないでしょう。実際、記事に対する読者のコメント欄にもそういう意見がたくさんありました。

でもこの記事を書いた人も、そんなことは十分承知しているはず。

ということは、この記事の真の意図は現代のリアルタイムでの世論誘導を目的としているのではなく、何年もしてから、つまり歴史的考察に入ったような段階での事実認識を操作することではないかと思いました。

このような記事をできるだけ長くweb上に掲載し、一方では、この記事に反するような内容が書かれたものは、可能であればこっそりと削除していくということです。

インターネットの上にある情報は、つねに流動しています。一度書かれたwebページも、時間とともに変更、更新されていきます。普通の人は常に、いま現在閲覧することができるweb情報しか見ないでしょう。その限りにおいては、この手法は十分に意味がありそうです。

しかし、もし過去の様々な時点でのインターネット上の情報が、その時のスナップショット(ある瞬間のコピー)として記録されていれば、そういう手法の裏をかくことができるし、将来とても貴重な歴史資料にもなるのではないでしょうか。

そう思って調べてみたら、しっかりとありました。アメリカにあるInternet ArchiveというNPOのようです。日本の国立国会図書館も紹介ページを持っているので、かなりしっかりやっているんだろうと思います。ただし、現段階では全文検索ができないなどの制約もあるようです。

ただ、仮にそういう団体がなくても、たぶんGoogleがやっているだろうとは前からぼんやりと考えていました。

Googleなどの検索エンジンは、webページを巡回してテキストや画像などを収集する「クローラー(crawler=這うもの)」と呼ばれるプログラムを使ってwebの情報を収集し、それを元に検索のための巨大なデータベースを作っているそうです。だから、あんなに早く検索結果を返してくるということです。

つまり、検索エンジンを運営している会社には、世界中のwebページのかなりの部分の情報が蓄えられているということ。

そして、webが更新されたり削除されたりしても、おそらくは上書きするのではなく(=以前のデータを消去するのではなく)、過去のデータを持ったまま、どんどん新しいデータを積み重ねていくんじゃないかと思います。確認はできませんが。

結局実態的には、前述のNPOが蓄積しているのと同様のデータは、Googleなどの検索エンジンを運営する会社は持っているんだろうと私は想像しています。

法的な問題など色々あると思いますが、こういう会社が将来、歴史家やその他のなんらかの理由からデータの利用を求められた時には、ぜひ何の操作もせずに、ありのままの時系列のデータを提供してほしいものです。

そうすれば、その時々の世論が生き生きと把握できたり、もし、とある主体にとって都合が悪いページがある時点から続々と削除されていれば、そういう操作が行われたことも判明します。

しかし、逆に考えるとこのデータの使い方次第では、将来歴史を操作できるということですよね。そんなことはあって欲しくはありませんが、現実的には極めて起こる可能性が高いことだと思います。

そう考えると、日本も検索エンジンとは言わずとも、webの時々の情報を記録していくべきではないかと思います。

日本自身が将来歴史を操作する可能性ももちろんあると思いますが、その危険性を考えつつも、少なくとも将来外からおかしな歴史観が主張され始めた時に、それに反論するための材料は持っておいた方が良いのではないでしょうか。

またまた、そう思って調べてみたら、確かに日本でもそういう動きがあったようです。「国産検索エンジン開発が頓挫した先にあるもの」という記事が見つかりました。このタイトルが示すように結局失敗したようです。

ただし、この記事に書かれている危惧は、検索エンジンがもたらすビジネスへの影響や偏向した情報提供の可能性についてです。

こうやってwebページを作り始めて、私もインターネットを利用する上での危うさがとてもよくわかりました。過去に中国に住んだ際には、情報のフィルタリングも身をもって経験しています。

しかし、そういうリアルタイムの検索に関する危惧に加えて、私は長期的な視野で、web情報の歴史的価値にも目を向けるべきではないかと思います。

将来、「検索では見えてこないけれど、過去に蓄積されたweb情報の変遷を調べてみると全く異なる歴史の様相が見えてきた」ということは十分起こり得るはず。

そのためにも、web情報の時々のスナップショットを蓄積しておくことはとても重要ではないでしょうか。Internet Archiveがやっているからいいのかもしれませんが、私は国が100%税金でやっても良いのではないかと思うほどです。

重要なのは、情報の蓄積とともに、それをいろんな角度から詳しく分析できるツールの開発が必要なこと。ツールが良ければ、蓄積した情報の価値は飛躍的に高まると思います。

昨年から、日本のいくつかの大手メディアの報道に、ものすごく違和感を覚えるようになりました。「いくらなんでも、さすがにこれは理屈が通らない」と思うような見解が平気で流されていると感じています。

こんなに露骨なことをすれば、そのメディアに対する信頼が失われ、ビジネス的にもデメリットばかりではないかと思えるようなことを、なぜ続けているのかとずっと不思議に思っていました。そんなことを書いても、マジョリティは反発するだけだとわかっているようなことをなぜ発信し続けるのか?

もちろん様々な可能性が考えられます。そのメディアなり記者なりが真に正しいと思うことを書いている可能性も無くはありません。webなら挑発的なタイトルと内容でわざと炎上させて、ページへのアクセスを稼ぐというのも普通に行われているでしょう。

それ以外にも、直接世論誘導しようとする意図も当然あるだろうし、穿った見方をすれば、国の世論を右と左という単純な構図に分断させようという意図もありそうなものです。そうすれば国力が弱まりますからね。

しかしそれに加えて、その記事が記録として残ることによって、遠い将来に誰かが記す歴史に影響を与えようとする意図もあるのではないかと、冒頭の新型コロナウィルスの記事を読んで、思えてきました。

そこで注意しなければいけないと思ったのが、webのニュース記事などへのコメント欄。

確かに、おかしいと思う記事に対して異論を書き込んだり、自分の意見を書き込むと、なんとなく「言ってやった!」という充実感があるし、こんなにみんな反対しているぞと世論を見せつけたような気になることがあります。しかも、場合によってはそれが現実の世論を動かし、社会に大きな影響を与えることもあり得るでしょう。

でも、このコメントって将来にわたって保存されるの?という素朴な疑問があります。そのサイトの中ではたぶん残されるだろうけど、サイトが閉鎖されれば終わりだし、時間が経てば、データ容量が大きいコメント欄だけ消去されてしまうこともあるかもしれません。

それに、全世界のwebデータを包括的に収集している検索エンジンのクローラーは、一つの記事に何千とあるコメントまで記録していないんじゃないでしょうか。検索には必要ありませんからね。クローラーは、データベースのような動的な内容は収集していないようです。

ニュース記事へのコメント欄には様々な観点からの意見が書き込まれていて、その時々の社会の風潮が(かなり偏りはあるにせよ)ビビッドに伝わります。でも、その場限りなんじゃないか、と思われます。

つまり、将来にわたって残るのは、結局、本体の記事のみということになるだろうということです。

例えば今から20年後に、現在の状況を体験していない若者がインターネットを検索して、この新型コロナウィルスの発生と広がりの経緯を調べたら、はたして正確な状況を把握することができるでしょうか?

そんな危惧もあるので、なんとか国が自前でweb情報のスナップショットを、一部なりともあのコメント欄なども含めて、撮ることができないものかと思います。

もちろん政権批判がたくさん書かれていますが、その妥当性は選挙で確認すればいい話で、気にする必要は全くないと思います。

 

 

 
スマホの音声アシスタントとの
対話を描くストーリー

 

 

 

 

 

マレーシアの政変とマハティール首相の辞任

※日付間違いがあったので修正しました(2/27)

※追記しました(2/27)(2/28)(2/29)(3/1)(3/2)

マハティール首相が24日に辞任したというニュースは見ていました。背景には政党間の対立みたいなことがあったとも。

マレーシアの政治は2018年の劇的な選挙以来大きな動きがないので、最近はニュースもほとんど見ていませんでした。なので、24日の件も「へぇー、そんなに対立があったんだ。さすがにもう歳だし、この辺で引退するのかな」とわりとあっさりと見ていたのが今日まで(2/26)。

でも、知り合いに今マレーシアは、コロナウィルスの話題から首相の辞任の話題一色になっていると言われ、まあそれはそうだろうと思いながら何が起こっているのかと見てみれば…

Malaysia Kiniという単一のニュースソースから見ただけですが、ざっと理解したところを書くとこんな感じです。なんだこれは!という感じです。

 

与党連合を構成する最大党PKRから11人ほどが離反。リーダーはアズミン・アリ経済担当大臣。それと同時に、2年前の前回選挙でマハティール氏が自ら立ち上げ、現与党連合を大勝利に導いた政党PPBMが、与党連合から脱退のうわさ。

これらのメンバーに加え、長年政権を担ってきたが前回の選挙で負け今は野党であるUMNOや、イスラム系の政党PAS、独特の位置付けを持つサバ州やサラワク州の有力政党のメンバーが、KLのホテルや宮殿などに入り乱れてなにやら話し合いをする。

これが23日(日)の1日で起こったみたいです。もちろん誰かが背後で画策しているということ。

憶測としては、アズミン氏が全体を計画し、与党を脱退した自分たちとPPBMが現在の野党と組んで、マハティール氏を首相として新たに政権をとろうとしたというのが、ありそうなこと。

前回選挙の際、マハティール氏は自身が首相になった際の任期は2年間ほどにとどめ、次期首相はPKRのアンワール氏に譲ることとして選挙戦を戦った経緯あり。

しかし、マハティールシンパの中には、マハティール氏には任期最大まで首相を勤めてほしい(確か、下院議員の最大任期である5年)と考えている人がいて、それを狙った可能性がある。

ところが、この動きに対しマハティール首相は、翌24日に首相を辞任。マハティール氏は、そのすぐ後に自身が所属するPPBMの最高評議会の議長も辞任することを発表。

なお、PPBMも同じ頃に与党連合脱退を正式に発表。

アズミン氏とPPBMはこの段階で、当てが外れたということなんだろうか?

一方、日曜日の動きはマハティール氏が裏で糸を引いたのではないか、という憶測も当然出てくる。

しかし、首相辞任の前にマハティール氏とアンワル氏は話をしたそうで、アンワル氏はこの説を否定。アンワル氏はマハティール氏の辞任の意向を撤回するように説得したがダメだったと言っている。

前回の選挙で現与党連合が勝った理由は、前政権の腐敗を糾弾し、政治を改革するというアジェンダを掲げたからであり、そのような前政権の人々と一緒に仕事をすることはできない、というのがマハティール氏の考えとのこと。

マハティール首相の辞任により、与党連合政権は瓦解、内閣も解散することになった。国王は、次の首相が正式に決まるまで、マハティール氏を暫定首相に任命。

マレーシアではこの状況に対して、国王が議会を解散して選挙を行うか、あるいは国王が、議会をコントロールすることができるだけの支持を持つ議員を次期首相に指名することができるらしい。

そこで、25、26日の両日、国王は全国会議員を順次宮殿に呼んで、各議員の支持者をヒアリングしている。

PKRも有力与党のDAPも基本はマハティール氏を支持する様子で、PPBMも、おそらくアズミン氏のグループもマハティール氏を支持するだろうから、結局またマハティール氏が次期首相になるということか?

なお、このように議員一人ひとりの意向でマハティール氏が首相に選ばれると、政党が動かす政府ではない、統一政府(?)が出来上がる可能性があり、これを歓迎する声もある。

また、マハティール氏がこの形式の政府の成立を目論んでいたとの憶測も。

UMNOや野党連合は最初このアズミン氏とPPBMの話に乗る姿勢を見せていたが、この憶測もあり、結局は撤回し、マハティール氏を支持しない様子。

あれ、今またwebを見たら、マハティールさんが演説して、統一政府の成立を望んでいたと言っている。

ひょっとして、これ全部画策したということですか?あ、それともこのチャンスを利用して、国王に統一政府が成立するように助言したということかな?

 

おそるべし、マレーシアというかマレー人。

(2/26記)

 

追記:

◯26日夕方のマハティール氏の演説の全文が出ていた。

-首相交代のチャンスはある。しかし自分は双方(たぶん与党支持、野党支持の双方の国民)から支持されているので、辞める時期はまだ来ていないと思う。

-自分にもっと時間をくれと言ったが、PPBM(文中ではBersatuと表記)は与党連合を脱退することを決めてしまった。(この「時間」が首相としての任期なのか後述の「統一政府」を作るための時間なのかよくわからない)

-PPBMとアズミン氏がUMNOなどと組むと、前回選挙で負けたUMNOが政権の中心になってしまう。

-UMNOのメンバーが、党を飛び出して別の党に入るなら自分は受け入れたいが、UMNOが党として「統一政府」に加わることは受け入れられない。だから、辞任せざるをえなかった。

-政党が中心ではない、国益を考える「統一政府」を作りたい

など。(2/27記)

 

◯最近のマレーシアの政治は全然知らなかったけど、だいたいこんなことが起こったんですかね、と想像してみました。

・マハティール氏は未だ芳しくないマレーシア経済の立て直しや、汚職の追放などのために、まだ首相としての時間が必要と考えていた。アンワル氏には、今年11月のAPECサミットの後に引退したいと提案し、アンワル氏は寛大にも合意していたもよう(本来は5月で2年が経つ)。

・マハティール氏の党であるPPBMや側近たちは、もっと長期にわたって首相にとどまることを望んでいるが、与党連合にいる限り圧力を受け続け、今年首相の座をアンワル氏に譲ることにならざるを得ないと感じていた。

・マハティール氏が本心でどこまでの任期を望んでいたかはわからない。むしろ、任期に拘るのではなく、これでうまくいくというところまで持っていきたい、という考え方のはず。

・その一つの目標として、マハティール氏は「統一政府」という政党の党益とは距離を置き、UMNOやPAS支持の国民からも協力を得られやすい政府を作ることを模索。そうすれば任期の件も縛りがゆるくなる可能性もある。

・PPBMや近しい人とも「統一政府」実現の方策をずっと相談していたが、実現には時間がかかっていた。しびれをきらしたPPBMやアズミン氏が突っ走った。しかし、党としてのUMNOとの協力は受け入れられないという、マハティール氏の今の胸中を見誤っていた。

私もマハティール首相辞任のニュースを聞いて、最初に思ったのはUMNOに政権を戻そうとしているのかと思っていました。(2/27記)

 

◯26日のマハティール氏の演説のすぐあと、与党連合は首相としてマハティール氏ではなく、25日(火)からはアンワール氏を支持することにしていたと発表している。そうなると、数的にはアンワール氏が最大か。でも過半数は取れないはず。そうすると選挙?でも選挙を嫌がる声も多いようだ。(2/26記)

 

◯26日、マハティール氏の「統一政府」構想は、与党連合主要党のDAP(華人が多い)からも批判されている。もし、そんな政府ができたら首相は何の説明責任も持たなくなるからだと。(2/27記)

 

◯27日朝。マハティール暫定首相は政党政治ではない「統一政府(あるいは団結政府と言ったほうがいいかも)」を作りたいと言い、与党連合はPKRのアンワル氏を首相にしたいと言い、野党連合とイスラム系のPASは議会を解散して選挙をすべきだと言っている状況。

しかし、いずれも議会の過半数を得ていないため、判断は国王に委ねられている。今日、その判断が下されるかどうかも不明。(2/27記)

 

◯27日午後、DAPは「もし統一政府を考えるなら、それは与党連合の上に構築されるべきだ。統一政府の考えは魅力的だが、与党連合を裏切った上で国の統一を図る政府を構築することはあり得ない。統一政府を作るなら、理想的には前回選挙で約束した義務を負う与党連合の上にそれを作って、他の党を説得すべきだ」と言う。

様々な可能性に対応できるように、軌道修正しているように見える。(2/27記)

 

◯27日午後、アンワル氏は「与党連合と、そこを離れたPPBMとの関係は流動的だ」と発言。これも様々な可能性に対応できるようにしているみたい。(2/27記)

 

◯州政府レベルでは、PPBMとUMNOやPASとの連合もあるらしい(ジョホール州、PPBMの党首ムヒディン氏の地元)。(2/27記)

 

◯27日夕刻、マハティール氏の言。「国王は明確な過半数の支持を集めた首相候補を見つけられなかった。だから、国王は正しい議論の場は議会であると言っている。従って、3月2日に議会が招集され、そこで過半数の支持が得られた者が首相になるだろう。しかし、もし議会が過半の支持を得る者を見つけられなかった場合、我々は選挙に進まねばならないだろう」(2/27記)

 

◯27日夕刻、マハティール氏は午後にPPBM党首のムヒディン氏に会い、ムヒディン氏が党としての首相候補になることについて議論したと話す。多くが彼を支持するなら、マハティール氏はそれでも構わないとの意向。ただし、ムヒディン氏はUMNOとの全面的な協力を受け入れており、マハティール氏とは見解が異なるとも。なお、PPBMに請われ、マハティール氏はPPBMの最高評議会の議長に留まることになった。

これで、アンワール氏とは完全に決裂したということか?(2/27記)

 

◯PPBMは、来週3月2日の議会で、マハティール氏とムヒディン氏のどちらを首相候補とするか、決めあぐねているようだ。(2/28記)

 

◯その他、マハティール氏は議会の招集やそのアジェンダ(次期首相の選定)の設定を発表したが、それは憲法に定められた国王の権限であり、同氏の行動はそれを逸脱するものだといった批判が出ている。(2/28記)

 

◯29日夕刻。なんと!国王はムヒディン氏を首相に指名。UMNO政権復活!

 

◯マハティールさんのインスタグラムの投稿にものすごい数のコメントが寄せられています。お疲れ様でした!と思わず日本語でコメントしてしまいました(^_^)(3/1記)

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◯28〜29日にかけて。しかしまあ、どうなってるんだろう。PPBMはムヒディン氏を首相候補に決定。その後、現野党に多数派工作。それで多数が得られそうになるや、今度は現与党連合がアンワール氏からマハティール氏に首相候補を再度変更。マハティールサイドはその後も多数派工作を進め、29日に僅差で多数を得たことを国王に報告しようとしたが、夜国王はムヒディン氏を第8代の首相に指名することを発表。(3/2記)

◯翌3月1日の朝、ムヒディン氏は首相就任の宣誓。しかし、国王は同氏が何人の国会議員の支持を得たのかを公表しておらず、いずれが多数派だったのかについて疑義が渦巻いている。午後、街では二年前の政権交代を支持した人たちの抗議活動も起こっている。アズミン・アリ氏などに近かったPKRの議員が、怒った支持者から襲われるなんてことも。(3/2記)

◯マハティール氏がクローズドの会議で話したことが一部漏れていたが、同氏はムヒディン氏とアンワール氏の双方を非難していた。ムヒディン氏についてはUMNOとの協力を容認したこと。アンワール氏については一時的に与党連合の首相候補をアンワール氏に切り替えたことを。もしそうしなければ、マハティール氏が多数を取れたはずだとのこと。(3/2記)

◯ひょっとすると、この一週間の騒動はマハティール氏とムヒディン氏が謀ったことかと思っていた。結局最後の候補者二人は同じPPBMの人間だからだ。でもどうやら違ったようだ。マハティール氏は多数を取るために、かなり激しい動きを短時間で行なったようだし、最後にはムヒディン氏を裏切り者だと言っている。さらに、多数の支持を得たのがどちらかはっきりさせようとしている。(3/2記)

◯しかし、まだ事態は不安定のようだ。前与党連合(ややこしい)は、次に開催される議会で首相の不信任動議を出す話をしている。有識者からも議会でこのことをはっきりさせるべきだとの声も。次の議会は3月9日開会が予定されているようだが、一番最初に議長の選出が行われるので、これがまず最初の信任決議になるのではないかと言っている。ただし、首相の権限で開会の延期もできるようなので、その間に多数派工作がなされる可能性もある。これから、議会の開会まで、水面下(上でも?)で激しい支持の取り合いがおこなわれるはず。(3/2記)

◯上のインスタグラムの動画を見て、マハティールさんはこれを機会に政権争いからは一歩引くのかと思ったら、全然やる気満々。歳なんか関係ないということですね。(3/2記)

 

 

 
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