アンパンという地名の由来

ジャラン・アンパン(Ampang)、アンパン・パーク、アンパン・ポイントなど、クアラルンプールにいるとよく聞くけど、日本人としてはつい「えっ?」と反応してしまう「アンパン」という地名。

クアラルンプールの地図を広げると、KLCC(有名なツインタワーがあるところ)の前を通る道路がジャラン・アンパン、それを右の方にたどって1kmも行かないうちにアンパン・パークという駅があります。

そして、KLCCから4kmあたりがアンパン・ポイントと呼ばれ、そのあたりはアンパン・ジャヤと呼ばれる地域になっています。アンパン・ジャヤはもうクアラルンプールではなく、セランゴール州なんですね。いま気付きました。

このアンパンという地名、20数年前から私にとっては謎だったのですが、マレーシア人何人かに聞いてその由来がやっとわかりました。堰とかダムという意味の「empanganというマレー語が訛ってAmpangになったそうです。

ご存知のとおりクアラルンプールは昔スズの採掘で発展しましたが、このあたりに有数のスズの採掘地があったそうで、今のアンパン・ポイントあたりからBukit Belacan(地図ではより右の方、山に近いところだと思われる)という場所まで、堰が作られていたそうです。当時スズの採掘をしていたのは主に中華系の人たちで、マレー語の発音があまりうまくなかったことから、訛ってampangになり、それが地名として定着したとのこと。

聞かされてみれば、クアラルンプールの発展との歴史的関係はわかるものの、取り立ててどうこう言う話でもなく、マレーシア人に聞いても多くは知らなかったり、中国語の地名からきたのではないかという人もいたりして、認知度はかなり低めでした。ちなみに、中国語では「安邦」という字を当てているようです。私は日本人だから気になっただけで、例の「あんぱん」の存在を知らない人にとっては単なる地名の一つですから、由来など知らなくてもあたりまえですよね。

でも、何ということはなく、もちろん日本とは何の関係もありませんでしたが、私としては20数年来の謎が解けたのでちょっと満足しています。

 

 
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マレーシアの冷房について

電車の記事を書いていて思い出しました。クアラルンプールで電車に乗ろうとすると、よく乗客が扉の前に何人も立ったまま、乗り込もうとする人の邪魔になっているのに出くわします。

中がガラガラに空いているのに奥に入らないので「電車に乗り慣れていないんだな」と思い、「ひとつ電車の乗り方のマナーを教えてあげよう」と余計な事を考え、自らこの人たちをかき分けて奥に入ってしまうことが時々あります。

しかし、割と高い確率で「しまった」と後悔することになります。

空いているのにはちゃんと理由があって、その部分がエアコンの吹き出し口の真下になっているんです。特に列車の連結部付近や先頭車両の一番前あたりが厳しい寒さに晒されています。

季節変動があって雨期などに雨が続いて外の気温があまり上がっていないときの冷気は半端のない冷たさで、わずか10分ほどの乗車時間でも心臓がどうかなるんじゃないかと心配になってしまうほどです。

マレーシアに来たことがある人、特に仕事で会議室に入ったことがある人はよくご存知だと思いますが、マレーシアの会議室の寒さは尋常ではありません。陽が射さない大きな会議室に、たまたま他に場所が無いということで4〜5人の少人数で入って会議をすると、冷え性の私の手は1時間後には紫色になってしまいます。

なぜこんなに冷やすのかと思いますが、まず、いまほど経済が発展していなかったころにはきっと冷やすことは贅沢であり、お客さんを呼ぶ時のもてなしだったんじゃないかと想像します。その名残がいまも続いているんじゃないでしょうか。

それから、設備の問題もありそうです。大きなビルでは冷気はダクトを通じて供給されますが、古いビルや間仕切りをあとから追加したような部屋では冷気の吹き出し量の調整ができなかったりします。

陽のあたる部屋と窓もない部屋では温度が全然違うので、陽の射す部屋に冷気の温度を合わせてしまうと、ほかの部屋では白熊とペンギンしかくつろげないような状況になるんでしょう。

そしてもう一つ大きな理由なのではないか、と思うのがマレーの女性の服装です。

ご存知のとおり、マレーの女性はムスリムなので、ほとんどの人は頭にトドンと呼ぶスカーフのような布を被り、肩まで覆ってしまいます。また、肌をできるだけ出さないように長袖で裾の長い服を着ます。

話を聞くとトドンを一日中身につけているのは結構大変で、冷房した部屋でも温度が高めだと汗がじとっとにじむようになることもあるそうです。

そう、彼女たちはそもそも冷気に直接肌がさらされるということがほとんどないんです。特にトドンは首筋から肩にかけて一番寒さを感じやすい部分を覆っているので、冷気には強いと言えるでしょう。


トドン
(これしか写真がなかった m(_ _)m)

マレーシアの冷房は彼女たちに合わせているというと言い過ぎだと思いますが、多民族国家で互いに寛容であろうとするマレーシア人はある程度そういうことを意識しているのではないかと思います。

実際、オフィスで働く男性は熱帯の国であるにも関わらず、ほとんどの人が長袖のシャツを着て仕事をしています。もちろん通勤もそのままです。

半袖シャツを着ているのは私のように来たばかりの外国人だったりします。私も最初の頃は熱帯なんだからと半袖シャツを着ていましたが、ほどなく長袖シャツを着るようになりました。

こんなマレーシアの冷房事情ですが、慣れてくるとこれが普通になり、たまに夏に一時帰国した時には日本のオフィスの温度設定が28℃で、冷房をかけているのに汗だくになったりするので、「もっとキリッと冷やさんかい!」と文句を言いたくなったりするのでした。

 

 
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クアラルンプールではLRTで通勤してました

20年ちょっと前にもクアラルンプール(KL)に3年ほど住んだのですが、その時は郊外から市内の職場まで車で通ってました。しかし、当時からKLは渋滞がひどく、特に雨でも降ろうものなら到着時間は全く予想できないという状態でした。

その経験があったので、3年前に再度KLに住むことになった時には、前回の赴任後にできたLRT(小型の電車で、輸送量は山手線などの日本の一般的な鉄道よりも小さい)で通勤しようと決めました。前回と同じくやはり郊外に住むことにして、少々家賃は高くなりますが覚悟して駅に近いコンドミニアムに住居を決めました。

結論から言うとLRTを使った通勤はとても快適でした。ただし、快適に利用するためには条件があります。職場も家も駅に近いこと!これが絶対だと思います。


通勤に使っていたクラナジャヤ線、2両編成の時もある。ここはKLIA線(空港に行く路線)とKTM(マレー鉄道)の線路も通っている。

たまに雨で足止めを食らうことはありましたが、職場も家も駅から5分圏内の場所だったので徒歩で駅まで行き、渋滞のストレスなく快適に通勤をすることができました。私が通ったBangsar-Ampang Park駅間は7駅、乗車時間は13分程度でした。

朝の通勤時間帯は2〜3分間隔で列車が来るので待ち時間は気になりません。混雑状況は、当初は東京で電車通勤していた私にとってはほとんど気にならないレベルでした。しかし、クラナジャヤ線が南方に延長された後、乗客がどっと増えて、列車に乗るまでに1〜2本見逃さねばならないことが時々起こるようになりました。

でもここでは日本のように押し合いへし合いして乗り込むようなことはなく、基本的に他人の体に触らない程度にしか詰めません。なので、本当に急いでいる時は前に並んでいるマレーシア人が乗るのを諦めたのを見計らって、東京で鍛えた技術(後ろ向きになって扉の上を片手で押さえてお尻から隙間に入って行く)を駆使して滑り込んだことも何度かあります。


クラナジャヤ線の車両

クラナジャヤ線はゆりかもめのように無人運転で運行されていますが、2年半乗っていて自分の乗った車両が止まったことは記憶の範囲で2回でした。いずれも10分ほど停車したのち動きました。

遅延はたまにあるほか、車両故障でほぼ丸一日運行を休止したニュースも聞いたことがありますが、全般的に言ってあまり目立ったトラブルはありませんでした。全てのダイヤが各駅停車だし、線路も高架か地下のみで人が入り込んだりする余地も少なく、シンプルなのも理由の一つかもしれません。地下駅のホームは全て扉で線路と分離されています。

クアラルンプールには、他のLRT路線のほか、モノレール、空港や行政都市であるプトラジャヤに行くKLIA線、KTM(マレー鉄道)の通勤線、そして昨年7月に開通したMRT(LRTよりも輸送量が大きい)など都市鉄道が整備され便利になってきています。

特に多くの路線の結節点になっているKL Sentral駅を経由すれば、鉄道でかなりいろんなところに行くことができます。


駅にある路線図
(こちらにPDFがありました→2017.7版(Rapid KL)

でも、最初に書いたとおり、問題は駅までどうやって行くかなんです。あるいは駅から目的地にどうやって行くか。通信事業なんかでも言われる「ファースト・アンド・ラスト・ワンマイルの問題」(最初と最後の部分をどうするか)としてマレーシアでも議論されてました。

日本だと普通はバスで駅まで行くか、歩いて(あるいは自転車で)駅まで行くかですよね。これがどちらもマレーシアでは難しいんです。これについては、後日書いてみたいと思います。

KL Sentral駅に滑り込むLRT



新しくできたMRTの駅とホーム

 

 

 
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