クアラルンプール駅の歩き方

前回LRTパサール・セニ駅周辺の見どころについて書きましたが(こちら)、このすぐ近くにあるクアラルンプール駅は歴史のある駅で建物も素晴らしいものです。

全体の雰囲気がわかる写真はピンボケのものしかありませんでした。すみません。。。


駅は大きいのでなかなか全景を写すのが難しい

この駅は19世紀末頃にできたとのこと。隣のKLセントラル駅ができるまではマレーシアの鉄道の中心駅でした。バンコクからシンガポールまで繋がる有名なマレー鉄道の中でも中心的な位置を占めていたのでしょう。

エキゾチックな長距離列車の起点・終点としてはとっても情緒があってよかったんだろうと思います。今マレー鉄道は近代的なKLセントラル駅を中心に運行されています。


駅の向かいにはマレーシア鉄道公社(KTMB)の本社ビルがある
こちらも大変立派な建物

実はこのクアラルンプール駅、わざわざ見に行くまでもなくLRTパサール・セニ駅から歩いて国立モスク(マスジッド・ネガラ)の方に行く時に、通路として通ることになります。

LRTの横をクラン川が流れていますが、この川を渡る橋というか通路がパサール・セニ駅から出ています。

通路をずっと辿って行くと、最後はこのクアラルンプール駅のホームの端っこに出ます。(途中の分岐を反対側に行くと中央郵便局に着く)


クラン川を渡る通路


通路から見たクラン川とパサール・セニ駅(左)

その後はなんと、このホームを歩いてメインの駅ビルの方に向かいます。


ホーム端のこんな感じの陸橋から降りてくる


ここを歩いて行く
隣は通勤線のホームとして使用されている

このホームは使用されておらず、改札のチェック無しに通行できるようになっています。なにせ列車の駅だから結構な距離を歩きますが、あのマレー鉄道の駅だと思って歴史を感じながら歩けばなんとか耐えられる!?


たまには貨物列車が停まっている
(沿線に住んでいたので、夜中3時ごろにとても長い編成の貨物列車がゴトンゴトンと走る音をよく聞きました)

出口に自動改札の機械があって一瞬「あれっ?」と思いますが、この改札は動いておらず、素通りして外の通路に出ます。


改札の機械は停止している

そして一歩外に出るとこの重厚な雰囲気の通路が。。。


暗いけどなかなかいい雰囲気

それにしてもいつも思うのはこれだけ歴史があって立派な駅があるのに、観光資源としてあんまり活用していないんです。 駅ビルを活用したホテルもあるみたいだけれども、駅周りに観光客がたくさんいるわけでもなく、もう少しなんとかしないんでしょうかね。

最後に、この駅から道を挟んで少し行ったところのマジェスティック・ホテルやマスジッド・ネガラに行くには道を横断しなければなりませんが、地下道で横断できるようになっていますのでご参考まで。


地下道の出口(左の半円形)
(出たところはKTMB本社ビルの前です)


ホームの反対側の端から


モスクみたいなデザイン

 

 

 
スマホの音声アシスタントとの
対話を描くストーリー

 

 

KL観光はLRT/MRTのパサールセニ駅起点がおすすめ

LRT(やや小型の車両の都市鉄道)のクラナジャヤ線(Kelana Jaya Line)の近くに住んでいたので(過去記事)、パサール・セニ駅には10分ほどで行くことができました。休みの日や日本から人が来た時には、ここで降りて一緒に街をうろつくことがよくありました。

パサール(pasar)は「市場」、セニ(seni)は「アート」の意味。

駅から徒歩数分の距離にはマレーシアのお土産ショップが集合したセントラル・マーケットがありますが、パサール・セニはこのマーケットの別名だそうです。

旅行する人の好みはもちろん色々で、旅のスタイルや予算によっても違うし、昔の私のように「有名な観光地には興味なし」といった人もいますけど、短い時間で異国情緒を味わうにはクアラルンプール(KL)はいい場所だと思います。

大陸的なスケール感こそないけれど、なにせ居るだけでマレー、中華、インドの文化とそれがごちゃ混ぜになったマレーシアの文化が見れますからね。

そんなKLを観光するなら、たくさんの文化的な見所が集まったパサール・セニ駅周辺はおすすめです。

この駅のメリットは、

1.徒歩圏内にみどころがたくさんある

2.KL市内の他の有名な観光拠点であるKLCCとブキビンタンへのアクセスが抜群(になった)

3.鉄道を使う場合はKLIA空港へのアクセスも良い

といったところです。特に2.のブキビンタンへのアクセスは去年の7月に開通したMRT(都市と近郊の鉄道。LRTよりも大きい)の開通が大きいです。以下各々について紹介します。

 

1.徒歩圏内のみどころ

ここから歩いていける圏内だと以下のような観光エリアがあります。

<駅の西側(地図で左側)>


Kuala Lumpur駅

クラン川を渡ったところの、Kuala Lumpur駅Majestic Hotel KL、マスジッド・ネガラ(国立モスク)、イスラミック・アート・ミュージアム(上の地図を拡大してMuzium Kesenian Islam Malaysia)など。

バタフライ・パークやバード・パークもパサール ・セニ駅の近くにあって面白いけれど、坂を登って回り込まないといけないので、歩いていくのはちょっと厳しいと思います。たまに欧米人らしき人が歩いて行くのを見ますが。

 

<駅の東側(右側)>


LRTから見たセントラル・マーケット
(普段はこんなにたくさんの人はいません、これはデモの時の写真)

セントラル・マーケット、スリ・マハ・マリアマン寺院(ヒンドゥー)、関帝廟、そしてとても有名なチャイナタウンがあります。

 

<駅の北方向>


スルタン・アブドゥル・サマド・ビル

マスジッド・ジャメ(Masjid Jamek)、ムルデカ広場とスルタン・アブドゥル・サマド・ビル。となりのナショナル・テキスタイル・ミュージアムなども。

土曜日だったら、もう少し北に行くとTuanku Abdul Rahman通り周辺の夜市にも行けます。ここは夜市もやってるけど昼過ぎにはもう屋台がたくさん出ていて結構な賑わいです。

あまり観光案内には出てこないけれど、ナイトマーケットの雰囲気を楽しみながらマレー系の食べ物やお菓子を試してみるのには、近場なので気軽に行けていい場所だと思います。ただし、たくさんの屋台が出るのは土曜日のみなので要注意。

また、この周辺の建物にはテキスタイルの店がいっぱい入っています。地元の人が使う服や布地を売っていて、小さな店がたくさん集合したビルなどもあります。


ビルの窓全てが服のショーウィンドーになっている

この北方向のエリアに行くには、パサール・セニ駅からLRTに乗って一つとなりのマスジッド・ジャメ駅で降りてももちろんOK。

 

私は歩くのが苦にならないので、各々のエリアを半日かけてぶらつくことがありました。暑いしさすがに最後はクタクタになりますが、興味のあるエリアを絞って歩いてみるのもいいかもしれません。

行ったことがある場所については、このブログに書いてリンクを貼っていこうと思います。

宿泊はパサール・セニ駅からチャイナタウンにかけて、中ぐらい〜安いホテルがいっぱいあります。私は泊まったことがないので実態はよくわからないものの、予算と旅行のスタイルによってはこのあたりに泊まるのもアリだと思います。

でも、ここはけっこう「自由」な感じのエリアなので、持ち物や夜間の外出などの安全についてはそれなりの注意が必要でしょう。

なお、駅の西側のMajesticホテルは別格の高級ホテル。歴史を感じるコロニアルスタイルのホテルで一度泊まってみたいけれど、まだ実現していません。高級だけどハイシーズンを外すと意外に安い値段で泊まれることもあります。KLはホテルの宿泊料金が安いことで有名です。

 

2.KLCCとブキビンタンへのアクセス

ペトロナスツインタワーがあるKLCCにはパサール・セニ駅からLRTに乗って10分ほどで着きます(パサール・セニは地上駅ですが、次からLRTは地下を走ります)。

KLCC駅からは地下道を通ってツインタワービルに併設されている巨大なショッピングモールSuria KLCCに直接入ることができます。

マレーシアで一番の繁華街ブキビンタンに行くなら、LRTのパサール ・セニ駅のすぐ横にできた、地下駅になっているMRTのPasar Seni駅からです。ブキビンタンまで2駅なので数分で着くでしょう。


ブキビンタンの巨大ショッピングモールPAVILIONの春節の時の飾り付け

もちろんどちらの場所にもタクシーで行くことができるし、街並みを見ながらタクシーで走るのもいいものですが、特に雨が降った場合は大渋滞になることがあるのと、セントラルマーケットやチャイナタウン周辺のタクシーは観光客相手の車が多く、ときに通常の相場の数倍の料金を要求されることもあるので、注意が必要です。

乗った時にはメーターを使うのか、使わないのであれば(それでいいのかどうか知らないけれど)幾らで行くのか、はっきりさせておく必要があります。

電車で行ってタクシーで帰ってくるというのをやって見るといいかもしれません。その時メーターを使ってくれれば、だいたいのタクシー相場もわかりますし。

鉄道を使えばこれだけアクセスが良いので、KLCC周辺やブキビンタンを中心に観光や買い物をする場合には、そっちに泊まってパサール・セニに通ってくるというのももちろんアリです。

KLとその周辺の鉄道路線図2017.7版(Rapid KL)

 

3.KLIA空港へのアクセス

パサール・セニ駅から南方向のとなりの駅がKLセントラル(KL Sentral)駅で、KLIA空港から直通のKLIAエキスプレス(KLIA Ekspres)が来ています。


KLIAエキスプレスと同じ線を走る、KLIAトランジット(KLIA Transit)の車内
エキスプレスが「ひかり・のぞみ」なら、
トランジットは各駅停車の「こだま」といった位置付け
車内の様子はほとんど同じだったと思う

エキスプレスの乗車時間は30分弱、予約なしで乗れる
時間帯によって毎時3〜4本
(始発・終電等を含め最新情報はホームページなどで確認してください)
(http://www.kliaekspres.com/plan-buy/schedule/)

日本からくる飛行機は夕方に着くのが多いし、KLセントラルまで鉄道で来ても、夜にそこから荷物を持って電車を乗り継いでホテルを探すのは難しいですね。普通は空港からタクシーを使うか、KLセントラルまで鉄道で来てからタクシーを使うのが無難だと思います。

でも、帰国の時は鉄道を使うメリットもあると思います。

もちろん、ホテルからタクシーで空港に行くのがシンプルですが、日本への直行便はだいたい深夜発の夜行便で、空港に向けてKL市内から出発すべき時間帯が夕食の時間帯と重なります。

空港で食事するところはあまりないし、最後の夜だからちゃんとしたものを食べたいと思って、早めに切り上げるつもりでレストランに入るけれど、途中で雨でも降ってきたらもうハラハラドキドキしてしまいます。

雨が降るとタクシーがつかまらなくなるし、渋滞でKLの街を抜け出すのにものすごく時間がかかってしまうことがあるためです。KLの駐在員なら日本から来たお客さんを見送る時に、こういうハラハラドキドキを経験したことがあるのではないでしょうか。

ですので、慌てないための一つの方法はKLセントラルの駅ビル構内やその周辺、または、近場の鉄道やタクシーですぐ来れるところで食事をして、予定の時間通りにKLIAエキスプレスに乗れるようにしておくことです。

荷物が大きくなくて自分で運んでLRTに乗ることができれば、チャイナタウンあたりで食事をしても時間を有効に使えると思います。なお、電車もたまには遅れたりするので、代替手段としてのタクシーも想定した時間配分にしておいたほうがよいでしょう。

 

そしてなによりも、KLセントラル駅とその周辺には高級ホテルから安宿までそろっているので、この辺りのホテルに泊まってしまえばこういった心配は必要無くなります。

駅の南東側にはおもしろい飾り付けの通りがあるリトル・インディアも広がっているし、駅にはNU Sentralというショッピングモールも併設されているので便利。パサール・セニにもひと駅で行けます。


リトル・インディア

 

そしてもう一つ。マレーシア航空(MH、ただし他の航空会社の機体を使ったコードシェア便はダメ)の飛行機に乗るのであれば、KLセントラル駅でチェックインして荷物も預けてしまうことができます。(2018年7月現在)

MHはエコノミークラスの場合、WebチェックインをしておかないとKLIAでのチェックインはカウンターでは受け付けてくれません。KIOSK(機械)でのチェックインのみで、慣れていないと戸惑うこともあります。それに、チェックインのあと荷物を預けるカウンターに並ぶので、けっこう時間がかかってしまうときがあります。

なのでMHの場合、空港でしっかり時間をとって最後の買い物をしたいときなどは、KLセントラル駅でチェックインと荷物の預け入れをしてしまい、身軽に空港に入ってしまうのもいいかもしれません。

私は3回ほど使ったことがありますが、KLセントラル駅でのチェックインはいつも空いていてスムーズでした。荷物も無事日本に着きました。カウンターはKLIAエキスプレスのチケット窓口のすぐ近くにあります。預け入れの時間制限などもあるので、事前に調べてくださいね。

 

4.そのほか

私はバックパッカーほどではないけれど、どちらかというと安めの旅行が好きで、ごちゃごちゃしたところにも入っていきたいタイプなので、歩いたり電車に乗ったりが中心の観光を考えて書いてみました。

でも時間があればいいけれど、週末の弾丸ツアーみたいな超短期間の旅行だと大変かもしれせん。暑くて疲れるし。その場合はホテルなどで交渉してタクシーを1日借り上げるといった手ももちろんあります。お金がかかりますけど人数が多ければアリかも知れませんね。

それと、歩くときにはスリや引ったくりには十分注意してください。特に引ったくりはごちゃごちゃしたところに限らず、KLCC周辺のような近代的なオフィスが並ぶようなところでも起きています。

典型的なのはバイクの二人乗りが来て、後ろの男がひったくってそのままバイクで逃げてしまうパターン。歩道までバイクで乗り込んで来たりします。

現地の人も大半の人はバックパックか肩掛け紐のついたバッグを持って、狙われないように引ったくり対策をしているようです。くれぐれも気をつけて旅を楽しんでください。

 

 
スマホの音声アシスタントとの
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クアラルンプールのバリアフリー度(1)

LRTで通勤を始めてしばらくして、車椅子で電車に乗り込んで来る人がいてちょっと驚きました。この人は全くの一人で駅員や同行者の助けも何もなく、地下駅のホームから電動車椅子で乗ってきました。

LRTの地下駅では、ホームと電車の軌道の間に壁を設けてあり、万が一の転落の心配もありません。また、壁が設置してある駅のホームは直線に近いので、乗り降りの際の電車とホームの間のギャップも小さく、問題ないようです。


ホームと軌道の間の壁
(これはLRTではなく新しくできたMRT駅)


MRTは地上駅でも壁を設置している

その後も何度も車椅子で乗る人を見かけました。ひょっとすると同じ人を何度も見たのかもしれませんが。

ともあれ、LRTの駅はそれなりに整備され、車椅子での乗降も可能なようです。そして、それは電車への乗降だけでなく、ホームに来るまでのルートも車椅子で(たぶん)問題なく来ることができるということでしょう。

実際、私は駅近くの自宅からスーツケースを転がし、LRTからKLIAエキスプレス(空港へ行く電車)へと乗り継いで往復することが何度もありましたが、その際、一度バリアフリー度を試してみようと全てエレベーターを使って行ってみたことがあります。

やってみるとエレベーターの場所を探すのにまごついたりすることはあるものの、一旦駅ビルに入ってからは段差を越えたり、エスカレーターや階段を使うことなく、全てバリアフリーでチェックインカウンターまで行くことができました。

点字ブロックについてはあまり注意して見たことはないけれど、駅などでは整備されているようです。住んでいたエリアの近くには視覚障害者関係の施設があるらしく、白い杖をもった視覚障害者がLRTに乗っている姿はかなり頻繁に見ました。ただし、ほとんどの場合は誰か同行者がいたように思います。


KLセントラル駅
いまや7路線が繋がったターミナル駅。
この中の往来はおそらく全てエレベーターを使える。最近は大きな荷物を持ってエスカレーターに乗ろうとすると警備員に制止されることもある。
駅に付属している大きなショッピングモールにも問題なく行ける。エレベーターを見つけるのが大変だけど。

ほかにも、近年にできた大型のショッピングモールや大きなホテルなどでは、入り口にスロープが設けられていたり、どこへ行くにも必ずエレベーターで行けるようになっていたり、車椅子で入れるトイレがあったりします。このように鉄道や大規模な施設については、クアラルンプールはかなりバリアフリー対策が施されている方だと感じます(ただしモノレールはやや遅れている)。

しかし、良いのはここまで。

一歩建物の外に出ると別世界が広がっています。いや、車に乗っているのであれば大丈夫です。地下の駐車場に行って車にのって外に出る分には問題ありません。駐車場にだってもちろんバリアフリーで行けます。

問題は歩行者です。外を歩こうとするとバリアフリーかどうか、どころの話ではなく、そもそも歩いて目的地に行けるのか?と言う問題になります。

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