DeepL小説、Grammarly小説の未来(1)ー 英訳事始め

月日が経つのは速いものだ。1年間何をしていたのかというと、自分の書いた小説の英訳だ。SF、しかも長編。日本語で23万字、英語で10万ワードとすこし。文庫本にするとたぶん300ページを超える。なぜ素人がそんな無謀なことをしたのかというと、無謀だったからだとしか言えない。

コレ↓

シライン(改訂版):亜東 林(あとう りん)

が。amazonで電子本を出すことはできる(KDPという仕組み)。しかし、当時日本のアマゾンサイトでは紙の本にはすることができなかった。電子本もいいがdeleteキーひとつで消えてしまう。やはり自分で書いたものが紙の本になるのを見たかった。もちろん、英語人口の方が多いという考えもあった。この辺りが動機だ。

だから、電子本に加えて英語できれいな紙の本を出せるアマゾンの英米サイトで作ることにした。そんな気にさせたのが、タイトルに書いたAIを使った翻訳機と英文法チェッカーだ。これがなかったら、英語にするなど考えもしなかったことは間違いない。

ところが翻訳を初めて数か月してから、日本のアマゾンでも日本語の紙の本を出すことができるというお知らせメールが来た。でも、もうその時には止められなかった。というより、止まろうとも思わなかった。その頃にはできあがりつつある英語版に愛着がわいていたのだ。

DeepLというAI翻訳ツールは、文書ファイルごと一括翻訳もできる。これをやった時には、ほんの数分で全文を英文翻訳してくれた。それから1年間かかった。本当は2か月、まあ手間取っても3か月でやってしまおうと思っていた。しかし、甘かった。

ただし、そのぐらいの期間で意味が誤解なく通りそうな翻訳はできていた。どれだけ時間がかかるかは、自分の諦めと決断次第だ。結局、冒頭の「月日が経つのは速いものだ」の「はやい」は、「速い」か「早い」かといったようなこだわりをもちながらやると1年かかってしまったのだ。

中国ではAI翻訳を使って小説を速攻翻訳して売っているなどとも聞くが、それとは対極の使い方をしたということだろう。どちらがいいかという話でもないし、自分でやった結果のクオリティーも客観的には評価できない。

だから、これが良かったのかどうかはわからない。だが一つの試みとして同じようなことを考えている人の参考になるのではないかと思うので、この経験を書き残しておこうと思う。

おそらく、こんな経験をした人はそう多くはいないと思うので、書いた小説よりもこの経験の方がはるかに価値が高いだろう(ここは納得するのではなく笑うところだ)。

最初に結論だけ書いておきます。

AIはこの大作業に取り掛かる気持ちにさせたことに最大の価値がある。

AI has the greatest value in having made me feel ready to undertake this great task.

*上の英文はこのページの日本語全文をDeepLにかけた際の、該当部分の第1翻訳文です。

 

  1 2 3 4 5-1 5-2 6-1 6-2 7-1 7-2 7-3 8 

 

アダムの選択(亜東 林)

 

手のひらの中の彼女(亜東 林)

 

シライン(亜東 林):改訂版

 

LIARS IN SPACE (Rin Ato):シライン英訳版

英訳の経緯はこちら

 

Macで縦書き小説を書いて、電子書籍としてAmazonで出す時に使ったアプリケーション

何編か小説を書き、自力で電子書籍にしてAmazon Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)に出してきましたが、その時に使用したアプリケーションについて書いておきます。

1.Hagoromo

リッチテキストエディターと言うみたいです。テキストエディターはワープロよりもシンプルで軽く、大量の文字を扱うのに適していますが、それにある程度の装飾機能などが加わったものだそうです。

テキストエディターとワープロの中間ぐらいだということですね。基本的には全てこれで書いています。


背景色やカーソル位置の表示色は自由に変えられます

3年前にこれを買った時には、Macの縦書きソフトにはあまり選択肢がなく、有料だったのですがこれを買いました。

いろんな設定をした時の動作がややわかりにくい場合があり、最初は手こずりましたが、自分の設定を決めてしまってからはとても快調に書くことができます。

エディターにはアウトライン機能というのがついているものがあり、例えば章ごとに文章を折りたたんで、全体を見やすくする機能です。

Hagoromoにもアウトライン機能がついていて、長文の小説など、この機能がなければとても書けませんでした。


アウトライン機能を使って折りたたんだところ

Amazonのサイトにアップロードをする時のファイル形式はいくつか決まっていますが、色々試してみてEPUBという形式がおすすめです。

Hagoromoの書き出し機能を使えばEPUBにすることができます。

Hagoromoには目次作成機能もついており、基本的にはHagoromoだけでアップロードまで完結できると思います。

 

2.Pages

Macを買うと付いてくるワープロソフトですね。2019年から縦書きに対応できるようになったため、今ならPagesで書くこともできそうです。

しかし、PagesからAmazonにアップロードする時に、やや面倒な作業をしなければなりません。

やはりEPUBに変換してからアップロードするのですが、Pagesで縦書き文章を書いてからEPUBにしても、そのままアップロードすると縦書きにならず、横書きになってしまいます。

(注:2022.5.5追記: その後久しぶりに縦書きでPages→EPUB→KDPにアップロードすると、webのプレビューワーでは縦書きになっていました。喜んでそのまま出版したのですが、Amazonのサイトで「試し読み」を見ると、確かに縦書きになっていましたが、レイアウトがむちゃくちゃに崩れていました。本質的には解決していないようです。結局、再度以下の方法で試すとうまくいきました)

この問題はやっかいで散々調べましたが、ようやくたどり着いたのが下のwebページの方法(リンクは貼ってません。文字で検索してください)。

Pagesで作成した縦書きのEPUBが横書きになる時の対処法

電子書籍は公開前に体裁や書籍内のリンクの動作などをプレビューワーで確認しますが、これでうまく縦書きになった時には感動してしまいました。このページを書かれた方には感謝しかありません。

実は、Hagoromoで目次作成をすることができると書きましたが、最初はそれがよくわかっておらず、Hagoromoで文章を書いてPagesにコピペをして、Pagesで目次とリンク貼りをやって出版しようとしてたからです。

リンク貼りなどではPagesのほうが自由度が多く、やり方もとてもわかりやすいので、私はこれからもHagoromo → Pages の流れでやろうと思っています。

なお、HagoromoからPagesにコピペすると、ルビが落ちてしまいますのでご注意を。

 

3.GIMP

画像編集・加工ソフトです。電子書籍の表紙作りのために使っています。

なぜ、こんなに高機能の画像加工ソフトが無料で利用できるのか、正直言って不思議です。これで作った画像を商用利用することも構わないと明記されています(FAQにある)。ネット検索するとその辺りのことを書いた記事がいくつか見つかります。

ただ高機能なため、慣れるまで最初は大変かもしれません。でも、いくつか画像を作っているうちに自分好みの機能を覚えてしまい、それをメインに使いながら画像を作ると本当に楽しくなって、没頭してしまうこともあります。

開発している人に対しての失礼を承知で言うと、このGIMPを使って最も良いところは、うまくいかなくても腹が立たないこと!これに尽きます。

使っていると一部機能が動かなかったり、妙な動きをしたり、分かりにくかったりということもあるんですが、無料で使わせてもらってるんだから、と思えば全く腹も立ちません。しばらくすると改善されていたりもしますしね。

私は絵心が全くないため、これを使う時は全て写真をベースにしています。写真を撮ってきて、切り取ったり、色んな効果を加えたり、重ねたりということです。

GIMPのホームページにはDonation(寄付)を受け付けると書かれていますので、もし印税をがっぽり稼いだら寄付しようと思います。もし、ですけどね(笑)。


ただいま工事中