マレーシアの犬

20数年前、マレーシアに住むことになって初めてクアラルンプールに到着してから10日ほど経った頃、私は「ここは犬が少ない国だな」と感じたのをよく憶えています。

それまで全く知らなかったのですが、イスラム教では犬は豚と同様に不浄なものとされて、忌み嫌われているそうです。

人からそれを聞いてなるほどと納得するのと同時に、自分の犬センサーの感度の良さがちょっと嬉しくなりました。私は決して犬嫌いではないですが(むしろ好き)、吠えて追いかけてくる犬がとても怖いんです。誰でもそうかもしれませんが、私の場合こどもの頃のトラウマが影響しているみたいで、過敏に反応するようになってしまいました。

そんなわけで、イスラム教の影響からか犬を見ることが少ないマレーシアですが、中華系もインド系も少数民族もいるマレーシアなので、犬が全くいないわけではありません。

一軒家が立ち並ぶ住宅地であれば、番犬を飼っている家もあり、夜中に一匹が鳴くとあちこちの家の犬が反応して遠吠えの合唱になることもあります。

中華系住民の多い街では、街なかをたくさんの犬がうろついているのも見たことがあるし(こういうのがいちばん苦手)、少数民族が住む田舎道なんかでは普通に犬がウロウロしています。

でも外で見る犬はだいたい虐げられた感じに見えます。尻尾振って喜んでる幸せそうな犬なんて見たことないし、たいていは伏し目がちにすねた感じで道の端っこの方を歩いています。。。というのは私の偏見かもしれないけれど、家の中で飼われている犬以外は、この国は犬にとって受難の国ですね。

私は道で犬に出会うと目を合わせずにそっと離れることに集中するので、マレーシアで撮った犬の写真は探したけれどありませんでした。猫の写真はいっぱいあるのに

アダムの選択(亜東 林)

 

手のひらの中の彼女(亜東 林)

 

シライン(亜東 林)

 

LIARS IN SPACE (Rin Ato):シライン英訳版

英訳の経緯はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です